自宅が競売にかけられる!不動産競売の流れ
不動産競売とは?
不動産競売とは、売り手の役割を裁判官,書記官,執行官が行なうもので、国が行う強制処分という性質があります。
銀行などの債権者が、債務者から債権の回収ができない場合に 執行します。
競売の手続きは裁判所で進められますが、債務者の所有する不動産や担保物件を差し押さえて 強制的に売却するかたちとなります。
つまり裁判所の管理下で競売にかけられるわけですが、裁判所が定めた最低売却価格以上かつ最高値で入札した人によって落札されます。
そして その代金により、債権者は支払いを受けることになります。
なお 競売物件の最低売却価格は、裁判所から委嘱された不動産鑑定士が調査したうえで決定されます。
市場価格の5から7割程度の水準で定められ、落札価格は市場価格の8割前後となるケースが多いです。
不動産競売の流れ
住宅ローンの支払いが1ケ月滞ると 催告や督促があり、延滞が2ケ月程になると 債権者からの呼び出しがあります。
この時に相談しなかったり 債権者からの提案に応じなかったりすると、代位弁済を求められることになります。
そして ついには、債権や担保物権などが 求償権の範囲内で保証会社に移転してしまい、不良債権として処理されます。同時に、個人信用情報に事故としての記録も残されます。
その後は裁判所での競売手続きに入りますが、差し押さえ→競売→入札→立ち退きという流れになります。
なお 差し押さえは、担保権実行のために行われるもので、債権者が競売を申し立てた時点で 不動産の登記簿に記載されます。所有者は、自由に不動産を処分することができなくなるわけです。
そして、入札の直前になると、競売を回避するための任意売却など他の手段には応じてもらえないことの方が多いです。競売の結果を待つより仕方ありません。
落札者が決定すると、話し合いに応じて物件を引き渡すことになります。もしこのとき、話し合いに応じず 立ち退きを拒んでも、占有し続ける権限はありません。ですから いずれ、強制執行により立ち退かざるを得なくなります。
こうして愛着ある家を失うわけですが、その後の生活も決して楽なものではありません。
自己破産しない限り、住宅ローンの支払いは続くからです。
しかも競売は市場の取引価格に比べて1割から5割ほど低いので、その分 残る債務額も多くなります。
競売は非情・・・任意売却とどっちを選ぶ?
住宅ローン問題を解決するには、最終的に自宅を売却するしかありません。
その手段として任意売却と競売があるわけですが、売却から立ち退きまでの手続きには大きな違いがあります。
競売は、債務者の意思や事情が一切考慮されない 法律による強制手段です。
法律に則った時間軸で全ての手続きがなされ、債務者は ただ立ち退きを待つしかありません。
そのため 将来に対する希望がなく、「すべてが終わってしまった」と考えたり その後の人生について何も考える気にならなかったりしてしまうものです。
おそらく あなたも、競売にかけられている状況では こう考えることでしょう。
ただ、一切の情実なしに手続きが進められたとしても、家を手放す点では任意売却と変わりません。
そして、明るい人生を切り開らくか 立ち直ることができずに過酷な人生を歩むかは、あなた自身です。
競売で家を手放した場合に 立ち直ることができる人がほとんどいない事を考えると、前向きになれる任意売却を選ぶべきでしょうね。