事前の通知と事後の通知
保証人は、金融機関から保証債務の催告を受けた場合には、そのことを債務者に通知を送って知らせなければいけません。またこのことを、事前の通知と言います。
そして、保証人は主債務者に代わって債務の返済をした場合には、そのことを債務者に通知を送って知らせなければいけません。これを、事後の通知と言います。
事前の通知と事後の通知は送らなければ法律違反となり、罰せられるということはありませんが、保証人と債務者の間で支払いに関するトラブルが生じたときには、大きな意味を持つことになります。
事前の通知と事後の通知を送る狙いは、債務の2重払いを防ぐことにあります。
連帯保証人の場合には、金融機関は主債務者と連帯保証人の同時に請求を行うことができます。
しかも、100万円の債務で50万円ずつを請求するということではなく、両方に100万円ずつを請求するのが可能であり、一般的でもあります。
事前の通知と事後の通知を送ることで、主債務者は保証人が支払いをする事実を把握することができますよね。また、主債務者は自分の債務が完済された事実も知ることができます。
また、連帯保証人が複数いる場合には、連帯保証人同士でも事前の通知と事後の通知を送る必要があります。後々のトラブルを避けるためにも、送っておくことをお勧めします。
まあ、真っ当な金融機関が相手なら、2重払いという事態は起こりませんので、それほど重要ではないと言えます。
ただ、悪質な貸金業者では2重払いをさせて行方をくらませるということもありますので、注意が必要です。