エステ店長の話
私が勤務していた消費者金融業者の顧客の中に、大手のエステ会社で店長をしている女性がいました。
多少借入件数は多かったものの、収入が安定していて支払いもしっかりしていたため、こちらからすれば優良顧客となっていました。
ところがある日、その女性の自己破産を受任したとして、弁護士から通知が届きました。優良顧客だと思っていましたので、そのときはショックでした。
その女性の収入からすれば、まだまだ自己破産するほどの借金はなかったはずです。そのことを弁護士に聞いてみたところ、とんでもない事実が発覚したのです。
その女性はエステ会社に入社して、売上優秀ですぐに店長に抜擢されたそうです。しかし、店長になると個人ノルマではなく、店単位でのノルマを課せられることになります。
店長が一人頑張っても、お店全体での話になりますので、思うようにお店の売上が伸びなかったようです。売上が伸びなければ、それは店長の責任です。
その女性はかなり会社からの営業ノルマによるプレッシャーを感じていたと言います。
そして、その女性が取った道とは、もう来店しなくなった顧客の名前を使って、自腹で架空契約をおこなうことでした。
架空契約によってお店の売上は上がります。お店の売上が上がれば自分の給料は増えますが、それ以上に自腹分の方が多いので、自分のお金が減っていきます。
そして、ついに消費者金融業者からお金を借りるようになったと言うことです。
結局、その女性は架空契約が会社に知られ、解雇になってしまいます。残ったのは多額の借金で、収入がなくなったために自己破産ということになったのです。
同じようなことをしている人はいないですよね?