損害賠償金は免責されない
自己破産をすると、破産の決定日までに負っていた債務を免責することができます。免責とは、字のごとく責任を免除するという意味で、自己破産で債務を免責すれば、免責の確定後のそれらの債務に対する支払い義務がなくなります。
しかし、破産法では、破産の決定日までに負った債務は原則免責されるとしながらも、例外として税金や健康保険料の未納分は免責されないとしています。
損害賠償金についても、破産者が悪意をもって加えた不法行為に基づく損害賠償請求権と、破産者による人の生命または身体を侵害する不法行為で故意または重大な過失によるものに基づく損害賠償請求権は免責されないとしています。
多少の制限をつけてはいるものの、損害賠償金と呼ばれるものについては、免責が確定しても免責されないものとして考えておいたほうが良いと思います。
どういった場合には免責されないのかというと、それは完全なケースバイケースになりますので、事前に弁護士や裁判所に相談しておくのも良いと思います。
例えば、飲酒運転によって事故を起こした場合、これは重大な過失によるものになりますので、自己破産してもその損害賠償金から逃れることはできません。
しかし、事故の原因がたんなる前方不注意であり、それが軽過失と評価されたなら、それによって請求された損害賠償金は自己破産で免責を受けることができます。
悪意や故意というのは比較的わかりやすいと思いますが、過失についてはそれが重過失か軽過失かを判断するのは、素人ではなかなか難しいと思います。