悪質商法で荒稼ぎした不動産担保金融
悪質業者は数万円を貸付けて数十万円、数百万円と荒稼ぎするのが主流ですが、中には高額な金額を貸付してさらに高額なお金を巻き上げるところもあります。
ここではその代表的な例として、悪質商法で荒稼ぎした不動産担保金融についてお話します。
複数の消費者金融から総額850万円の借入をしているAという人がいたとします。
Aさんはどこかで借金の一本化をしたいと考えていました。ある日、Aさんの自宅ポストに、超低金利で一本化するというダイレクトメールが届きます。
あまりに条件が良いので少し怪しみつつも、Aさんはそこに記載されている番号に電話します。
その貸金業者は不動産担保金融というもので、不動産を担保に低金利での貸付を行っているとのことでした。
Aさんは持ち家でしたので、それを担保にして借入することにします。
ここでAさんは今ある850万円の借金を低金利で一本化したいと申し出ましたが、余裕を持ったほうが良いと相手に言われて1100万円を借りることになります。
借入条件は極度額3000万円の根抵当権の設定で、融資手数料として借入金額の5%を支払わされました。しかも、金利は最初の話よりも高い金利になっています。
相手は、Aさんの条件だとこれが限界だと言い、当面は利息だけを支払う契約にして、その間に銀行ローンに組みかえられるように手配するとのことでした。
そして、その短期契約の期限がくると、今度は「まだ銀行ローンは無理」と言い、再び短期契約を結ばれます。
しかも、借入金額を上乗せされて1350万円で契約させられ、融資手数料に加えて弁済手数料として当初の借入額の5%を支払わされます。
結局、同じようなやりとりが繰返され、Aさんは自宅を手放すことになってしまいます。
短期契約で融資手数料などを支払えば、実質金利は法外なものになります。Aさんは途中から引き返せなくなり、言われるままにしてしまったのがいけません。
少しでも怪しいと思えば近づかないこと、仮に近づいてしまってから気づいた場合には、すぐに弁護士や司法書士などの専門家に相談することが大切です。