勤務先の資金繰りのため
私が消費者金融御者で働いているとき、同一勤務先からの申込が連続で入ったことがありました。
その勤務先は「田中製作所」(仮名)と言い、従業員が10人程度の会社でした。
大手などでは見逃されるかもしれませんが、私が働いていた消費者金融業者は小規模な会社でしたので、申込がじゃんじゃんあったわけではありません。
そのため、勤務先の名称で田中製作所が何日か前にあれば、審査をする人は覚えていますし、調べればすぐにわかります。
始めの1人や2人はまあ偶然だと思えても、それが3人、4人となると、これはおかしいとなりますよね。
でも、勤務先が田中製作所として申込してきた人に、他の社員からも申込があったのですがとは聞けません。聞けば個人情報の流出となるからです。
そのため、田中製作所内でここからなら借りれるよと紹介されたのかどうかは不明でした。
怪しいとは思いながらも、審査は個別の条件で判断をしていました。しかし、さすがに少し不安になったので、先輩社員に聞いてみました。
すると、田中製作所の事業資金に使われている可能性が高いということです。
つまり、田中製作所としてはすでに融資を受けられない状況にあり、その社員が名義を社長に貸して、消費者金融から間接的に事業資金を借金しているのです。
社員が借りた借金は田中製作所の事業資金に充てられ、社員の給料として支払われるという仕組みです。
裏技です。もちろん、社長は社員に対して借金の返済を肩代わりすることを約束しているはずです。
はっきり言ってしまえば詐欺ですが、こういったケースは少なくありません。