JCFAの発足
1960年代の半ばから急速に市場を拡大させていった消費者金融業は、この拡大の中である問題に直面します。それは、悪徳業者の問題です。
消費者金融というビジネスモデルが世に出た当初、まだこの業界に関する法規制はほとんどありませんでした。
今でこそ厳しい規制がしかれている消費者金融業界も、このころはまだ目立って大きな市場を持っていませんでしたので、成長著しいと言っても、政府の目には止まらなかったのでしょう。
消費者金融の開業にしても、都道府県知事に届けるだけで即時に開業できるという形でしたので、悪質な業者も急速に増えるのは当然ですよね。
悪質な業者には良心や節度が欠けていますので、そのうちに消費者金融市場は無法地帯と化していくのです。
強引な貸付や回収、暴力的な行為が目立ち始めると、他の健全な消費者金融の経営者らは危機感を持ち始めます。
そこで彼らは、消費者金融業界の健全な発展と、そうした悪質業者の締め出しのために、日本消費者金融協会(JCFA)を発足させます。
この任意団体である日本消費者金融協会は、健全な消費者金融を会員とすることで悪質業者との差別化を実行していき、会員内の貸出上限金利を自主的に引き下げたり、多重債務者の救済、倫理規定の策定などをしたりしていきます。
そうした日本消費者金融協会の活動により、多くの健全な消費者金融業者が会員になり、この業界の発展に著しい貢献を果たしていくのです。
今の消費者金融業界があるのは、間違いなく消費者金融協会のおかげだと思います。