ATMのキャッシングを有料化
カード会社大手の三井住友カードが2010年6月以降、現金自動預け払い機(ATM)を使ったキャッシングサービスを有料化する方針を明らかにしました。
これは、2010年6月までに施行される改正貸金業法で、貸出金利の上限が現行の年29.2%から18%程度に引き下げらるからです。
貸出金利の引下げが影響するのは消費者金融だけではありません。
クレジットカード会社も同じようにキャッシングサービスを提供していますので、その影響は大なのです。
貸出金利が引き下げられると、収益悪化は避けられません。利益が半分程度になってしまいますので、その分他のことで利益を出さなければならないのです。
これまで、出資法の上限金利で貸付してきた貸金業者は、ATM手数料や契約書作成費用などを別途徴収すると、出資法違反となりました。
契約や現金の受け渡しにかかった費用も利息としてみなされ、出資法の上限金利を超えてしまうからです。
一方、利息制限法の場合には、各種手数料については利用者から徴収してもかまわないとしています。
改正貸金業法がどこまでを規制するかはまだわかりませんが、ATM手数料の徴収が認められる可能性は高いです。
そうすると、今後は利用者がATM手数料を負担するようになるかもしれません。
カード大手でキャッシング有料化の動きが明らかになるのは初めてで、他社も追随する可能性が高く、この流れは消費者金融にも広がっていきそうです。
ちなみに、三井住友カードは1回あたり1万円以下のキャッシングで105円、1万円超で210円を徴収するとのことです。
借入金を繰り上げ返済する場合の手数料も、1回1万円以下の返済で105円、1万円超で210円とするようです。
まあ、金利が下がるのですから、利用者としては手数料は仕方ないといった感じでしょうか。