お客との立場を間違えている業界
ヤミ金融が存在しているように、消費者金融というビジネスモデルはモラルを遵守して営業をしないと、利用者の利益を著しく損なう危険性があります。
お金を貸す側と借りる側では、どうしても貸す側のほうの立場が上になってしまいます。利用者が支払う利息が利益となる消費者金融では、本来貸す側と借りる側が対等の立場でいることが自然であり理想的でもあります。
しかし、日本人は真面目と言うか、まだ金融教育が未熟なために、日本では貸す側の立場が強くなってしまうようです。
ローマ帝国の英雄であるジュリアス・シーザーは、権力を握る前には大借金王だったそうです。シーザーにお金を貸した人たちは、シーザーが破綻しては大損してしまうということで、ひたすらシーザーを支援したそうです。
その結果、シーザーは頂点にまで上りついたわけですが、これなんかは借りる側のほうが立場が上だったことを表していると思います。
借金を返せなくて困るのは借り手側ではなく、貸した側です。そう考えると、消費者金融業界においても、お客様は神様だという習慣になっていたと思います。
でも、実際には、消費者金融からすればお客様は債務者となり、丁重に扱わないことが多くあります。
もう少し消費者金融業界がお客様である債務者を、破綻させないように丁重に扱っていれば、多重債務者問題も起きなかったでしょうし、破産件数も増加しなかったと思います。
昔の消費者金融はお客様を大切に扱っていましたが、いつの頃からか、債務者は借金を返済するのが当然で、払えないと言うのは債務者が悪いという考え方に変わってしまったのです。
本当は、払えない債務者が悪いのではなく、債務者を払えなくしてしまった消費者金融が悪いのです。