リボルビング方式への移行
近代化を進めてきた消費者金融業界において、最も象徴的なものがATMの導入だと思います。現代においてもまだ全ての消費者金融業者がATMを導入して営業しているわけではありませんが、ほとんどのと言っても良いと思います。
ATMを導入することで、消費者金融業者は店舗管理と店舗運営が楽になり、利用者は非常に使い勝手が良くなったと思います。
ATMでの貸付はリボルビング方式というもので、このリボルビング方式の普及が消費者金融の市場を一段と拡大させた原因であり、多重債務者を一段と増加させた原因だとされています。
リボルビング方式では、限度枠内であれば繰り返し自由に出金と入金ができるという包括契約を、消費者金融業者と利用者の間で結びます。
利用者は決められた金額を毎月入金することを守れば、限度枠内ならいつでも出金できますので、入用の度に申し込んで審査を受けるという必要がなく、不足のときにでも瞬時にお金を用意することができると思います。
このリボルビング方式で5社ほどの消費者金融業者と契約していれば、かなり自由に使えるお金が増えると思います。
しかし、このリボルビング方式は利用者にも消費者金融業者にも大変便利なものであるがために、利用者の安易な借入れを誘発するものだと思います。
しかも、利用者はリボルビング方式で契約してしまうと、少し返済をするとすぐに限度枠いっぱいまで出金してしまい、いつまでたっても借金元金が減っていかないという事態に陥ってしまうのです。
消費者金融からすれば、貸付平均残高が恒常的に維持されるということで、利益はとても高くなります。
つまり、それだけ利用者は高い金利を消費者金融に支払い続けてしまうということで、それだけ利用者の負担が大きくなり、多重債務者となる可能性が高いということです。
リボルビング方式だと、利用者の経済環境が変化して信用力が低下しても、信用力が高かったときと同じように借金(出金)をすることができるのです。
利便性をとるのか支払う金利を低くおさえるのかは利用者の自由ですが、そのことについての説明が詳しくなされていないというのは、問題ではないでしょうか。