鎖国状態だった消費者金融業界
1977年にアメリカ系の日本アブコ・ファイナンス・サービスが日本での営業を始めたのが、黒船到来とまで言われたアメリカの消費者金融業者による日本進出の始まりでした。
ここから2年半の間に、実に11社の外資系消費者金融業者が日本での営業を始めることになります。
消費者金融というビジネスモデルを、日本よりも以前から確立している本場の消費者金融の来襲は、日本の消費者金融業者にとっては、当時かなりの脅威だったと思います。
当然のように、日本の消費者金融業界は強く反発しています。具体的には、日本の消費者金融業界は、外資系の消費者金融業者には信用情報機関を利用させなかったことのです。
信用情報機関は、貸付審査や債権管理をする上での核になり、これを利用できない不利は相当あると思います。
外資系の消費者金融では信用情報機関が利用できませんので、貸付の審査・受付にはより多くの時間をとらなくてはなりません。
消費者金融の利点は、何と言っても現金を受け取るまでのスピードだと思います。信用情報機関が利用できなかった外資系は、そのスピードの面で決定的に劣ったのです。
そのため、勇んで日本に進出してきた外資系消費者金融業者は数年後には1社を除いて全て撤退しました。
もし、このとき消費者金融業界が閉鎖的ではなく、外資系の進出を前向きにとらえることができていれば、消費者金融のやり方や考え方は今とは違っていたかもしれません。
新しく参入する者を受け入れない体制は、結局は時代に取り残されていくと思います。こうしたことも、今の消費者金融批判に繋がっているのではないでしょうか。