金利引き下げで業界はどう変わる?
2008年の施行を目標に作成されている法律で、消費者金融の上限金利が今の年率29.2%よりも引き下げられることは間違いありません。
最高裁判所が利息制限法に定める上限金利を超えた分の金利については、一切無効という判決を下したことで、現在でも年率29.2%という数字にはあまり意味はないと思います。
年率29.2%で貸付しても良いですが、後からグレーゾーン金利分を返せと言われれば返さなくてはいけませんので、年率29.2%で営業していては、消費者金融にとっては将来のビジョンを決められません。
利息制限法の10万円未満で年率20%、10万円以上100万円未満で年率18%、100万円以上で年率15%という上限金利程度に、消費者金融の上限金利が定められると言われています。
この上限金利の引き下げで、消費者金融は貸付審査が厳しくなると一般的には言われています。
これまでは29.2%だったからハイリスクの人への貸付をしてきたが、金利が下がればそうした人への貸付ができなくなるというのです。
低い金利でハイリスクの人に貸付していけば、貸し倒れ分を吸収できずに経営が成り立たないということです。
これまでも上限金利の引き下げはありましたが、その都度消費者金融はハイリスクの人を切るのではなく、より多くの人に高額を貸し付けることで金利の引き下げ分を賄ってきました。
ただ、今回は総量規制も同時に施行されますので、こうした方法は取れないことになります。
真面目に営業すれば廃業しかなく、それならヤミ金融として生きていくとの発言をする消費者金融業者もあり、多くが廃業ではなくヤミ金融業者となる可能性も否定できません。
金利は一気に下がるわけではなく、段階的に下がると言われています。今度の金利引き下げでは、どういった流れになっていくのか、利用者はただ見守るしかありません。