他で借りて他に貸す
消費者金融業界は、銀行などと違って高金利で営業しているから、それだけ儲けが大きいと言う人がいます。
これはまるっきり間違いとまでは行かないにしても、かなりこの業界の構造を誤解していると思います。
消費者金融業者の中で、自己資金のみで営業をしているところは、実はとても少ないと思います。まあ、他の業界にしても、自己資金のみで無借金営業をしている会社というのは、あまりないですよね。
消費者金融はお金を貸して、その利息で利益を出す会社になりますが、その貸すお金はどこからかわいて出てくるわけではありません。
消費者金融業者は、どこからかお金を借りて、その借りたお金を貸して営業しているのです。大手や準大手の消費者金融業者では、株式や銀行からお金を調達していると思います。
しかし、中小の消費者金融業者では、銀行が融資してくれることはありませんし、上場していませんので株式は問題外です。
基本的に、金融機関は消費者金融業者にはお金を貸したがりません。相手も金融のプロですので、借金の踏み倒し方も知り尽くしているからです。
しかし、それでも消費者金融業者はお金を借りなければ営業できませんので、高い金利を支払ってでもでということになってしまうのです。
ある消費者期金融業者では、年率10%の調達金利で資金を作り、それを年率29.2%で貸し付けるというのです。
仮に貸したお客が1回も返済をせずに破綻した場合には、年率10%の借金だけが残ってしまうというのです。
貸さなければその調達金利を支払うことができませんし、貸しても貸し倒れされれば元金も失ってしまうというのだそうです。
物やサービスを売ればお金になる業界とは違い、そこに貸したお金を利息をつけて返してもらわなくてはいけないというのですから、他の業界よりも財務状況は悪いと思います。
さらに、過払い金の返還があるのですから、自主廃業を決める消費者金融業者は今後も後を絶たないと思います。