消費者金融業者大手の最近の動向
消費者金融大手4社のうち、プロミス、アコム、武富士の2009年中間連結決算はいずれも大幅な減収となりました。売上にあたる営業収益では12.9%から35.6%の減収となっており、プロミスとアコムについては最終利益も減益となっています。
また、武富士は最終利益を増益としましたが、それは前期中に巨額の過払い利息の返還に備えた引当金を積み増したことに対する反動のためです。武富士も実質的には減益と言えるでしょう。
大手4社の残りの1社になるアイフルは私的整理を進めていて、通期で3110億円の最終赤字を見込んでいます。
武富士は投資家に債務の減額を求め、銀行の後ろ盾を持つアコムとプロミスは大規模なリストラを進めています。
ちなみに、アコムは社員の約2割にあたる550人の希望退職を募集し、2011年度までに全国の有人店舗を現在の118店から45店に削減するとしています。
ただ、銀行の後ろ盾を持つアコムやプロミスでさえ、今後の存続が危ぶまれています。リストラによってスリム化しても、過払い利息の返還は変わらないからです。
過払い利息の返還に備えるためには利益を余分に出していかなくてはいけないのですが、規制によってそれができません。
過払い利息返還請求が終息しない限りは、消費者金融業者大手は生き残れないでしょう。
消費者金融では2010年6月に完全施行される総量規制を見越し、すでに貸付を徐々に絞っていますが、今後ますます市場規模が縮小する可能性が高いと言えます。