単一マーケットと単一サービス
消費者金融業界は、単一マーケットと単一サービスが特徴の業界だとされています。
単一マーケットと単一サービスとは、市場が1つだけであり、そこで提供されているサービスも1つということです。
例えば、小売業について言えば、対象としている相手は赤ちゃんから高齢者、痩せている人から太っている人、車を持っている人、妊婦さんなど、実に様々です。
小売業とひとくくりにされていても、誰を目的に商売するのかはいろいろです。ところが、消費者金融業界で対象としているのはサブプライム層だけです。
稀に高所得者の人も消費者金融を利用することがありますが、消費者金融を利用するということは、目先のお金に困っているということで、それは隠れたサブプライム層であると言っても良いと思います。
次に、単一サービスですが、小売業ではいろいろなものを売っていると思います。アイス1つをとっても、大きさや形、味、値段がそれぞれ違い、買うほうはその違いによってどれにするかを決めていると思います。
これが消費者金融業界になると、そうした違いはほとんどありません。消費者金融業界では、現金を貸し出すというサービス以外はないのです。
しかも、そのサービス内容はほとんどが横並び状態で、消費者金融を利用しようとする人にとっては、別にどこでお金を借りても差があまりありません。
他社と差別化するための1番の方法は金利を下げることになりますが、金利を下げればそれだけ貸し倒れリスクを回避するために相手を絞る必要があり、事業の縮小にしかなりませんのでそれもできません。
そのため、消費者金融業界では、単純に知名度のある大手が始めに選択されて儲かり、知名度の低いところほどよりリスクの高い相手に商売をしなければならないという構図ができあがっているのです。