住宅ローンを放置するとこうなる。払えないまま放っておくと後で大変なことに!
電話による催促 – 住宅ローン不払い2ケ月目 -
住宅ローンの支払いが滞って最初に行われる債権者のアクションは、電話による催促です。
ほとんどの場合、不払い2ケ月目頃に 銀行のローン窓口担当者から電話がかかってきます。
ただ、銀行の担当者に不払いの理由を話したところで 支払いを待ってくれるわけではありません。
ローン担当者は、猶予の権限を持っていませんからね。
そのため、「どうせ待ってくれないし…」と、居留守を使ったり じっくり話を聞かずに乱暴な対応をしてしまうケースも少なくないようです。
しかし こうした対応は、その後の状況を悪くするだけなので 慎むべきでしょう。
住宅ローン問題の最終的な解決方法は、破綻しかありません。
しかし 破綻に至るまでには幾つもの段階があり、それを回避して丸く収める方法もあるものです。
丸く収める余地が残されている以上、最初の対応は大切になってきます。
いい加減な対応を取るのではなく、折り目正しく対応するようにしましょう。
そうすれば、その後の対策などについて、銀行側も快く相談にのってくれるはずですよ。
催告書が届く – 住宅ローン不払い3ケ月目 -
住宅ローンの支払いが3ケ月も滞ってしまうと、債権者から催告書が送られてきます。
催告書とは、強い意味を持った支払通知書のことです。
各金融機関によって書式は異なりますが、既に危機に陥っていることを意味しています。
置かれている状況を素直に認め、「まだ大丈夫」「何とかなる」など 根拠のない希望や期待は捨てるようにしましょう。
ただし、諦めるにはまだ早く、状況を改善する余地は まだまだ残されています。
催告書が送られてきたらすぐに、何らかの行動を起こしてください。
ベストなのは支払いを済ませることですが、それができないから今の状況に陥っていることでしょう。
ですから、返済が困難であることを、ローン問題に詳しい弁護士や不動産業者など 専門家に相談してみてください。
督促状が届く – 住宅ローン不払い4ケ月目 -
催告書が届いた段階で適切な対応を取らずに放置しておくと、次は督促状が送られてきます。
督促状とは、催告書と意味合いは同じで、強い意味を持った請求書のことです。
各金融機関によって書式は異なりますが、支払いを強く催促するもに間違いはありません。
滞納分をまとめて返済しなければならず、今後の支払い減額の交渉なども必要となります。
なお、督促状を受け取ったら、待ったなしの状態とお考えください。
この段階で何も手を打たなければ、競売も考えざるを得なくなるからです。
ピンチを切り抜けるための手段と時間は、残り少なくなってしまっています。
一刻も早く専門家に相談し、危機脱出の手当てを考えてもらうようにしましょう。
期限の利益の喪失の予告 – 住宅ローン不払い5ケ月目 -
督促状への適切な対応を取らず 不払いを続けていると、期限の利益の喪失予告がなされます。
期限の利益とは、期限が来るまでは分割払いができる という債務者の権利のことです。
つまり ローン払いの権利のことで、購入時の契約通りに支払いしている限り 一括返済や期限の短縮などを債権者が求めることはできないということです。
ただ、返済が滞り続けると、この権利は法的に喪失してしまいます。そして 債権者は債務者に対して、残額の一括返済を求めることになります。
期限の利益の喪失予告がなされると、債務者に保証されている分割支払いの権利が危ういことを意味しています。
そしてこのことは、債権者がこれ以上は支払いを待てない という通告であり、最終督促でもあるのです。
そして、その後も引き続き返済が行なわれなければ、任意売却や競売の手続きへと移行することになります。また同時に、信用情報機関へ登録もされます。
なお、この段階においても、まだ返済方法変更のチャンスは残されています。ただし、延滞が続いている状態で審査に通るのは難しいので、覚悟しておきましょう。
期限の利益が喪失する – 住宅ローン不払い6ケ月目 -
債権者からの再三の督促にもかかわらず 何の手も打たずに不払いを続けていると、期限の利益を失ってしまいます。
つまり残額を一括請求されるわけですが、この段階まで来てしまっては 平和的に更正を図ることは不可能です。
残債を一括で支払う以外に道は残されていません。
とはいえ、返済する余裕がないから この状態に陥っているわけで、一括返済は無理でしょう。
その場合には、不動産を任意で売却するか 債権者から競売にかけられるかの どちらかを選択することになります。
ですから、極めて重要な局面と言えるでしょう。
ただし、この崖っぷちの状態でも まだ解決できる道は残されています。
まずは競売を避けることが先決なので、今すぐに専門家に相談してください。
もし専門家に相談もせずに何も対策を講じなければ、競売するしか道はなくなってしまいます。
代位弁済通知が届く – 住宅ローン不払い7から9ケ月目 -
期限の利益の喪失という最終請求にも適切な対応を取らなければ、代位弁済の通知書が送られてきます。
この段階まで来てしまっては もう後はなく、ほとんどの金融機関が全額一括返済以外は認めてくれません。
つまり、支払条件の話し合いに応じてくれる金融機関は ごくわずかということです。
ところが、この代位弁済通知を受け取ったあとに専門家に相談する人が少なくありません。
「分割払いによる支払いをしたいので、何とか知恵を貸してほしい」と、専門家を頼るのです。
ただ、金融機関が応じてくれない以上 専門家であってもどうすることもできません。
ですから この段階になるまでの早い段階で、専門家に相談するようにしましょう。
なお、一括返済が不可能な場合には、自宅を売却して その代金を返済に充てなければなりません。
そして、不足した残債分に関しては、分割による支払いとなります。
ただ この時、相手の条件によっては かなりの金額を支払い続けるケースも見られるので、覚悟しておいた方がいいかもしれません。
ところで・・・代位弁済ってナニ?
銀行から借り入れをする際、保証会社と保証委託契約を結びます。
そして、もし債務者が借入の返済が不可能な状態となった際には、債務者に代わり保証会社が銀行へ全額一括返済することになります。
この債務者に代わって第三者が弁済することを、代位弁済と言います。
そして代位弁済会社には、弁済した全額を債務者に対して求償する権利があり、担保権などを代位して行使することができるようになります。
代位弁済にあたる保証会社の説明文によると、『代位弁済になりますと あなた様と当社との間の保証委託契約に基づいて、代位弁済後の金利は14.0%が適用され 合わせて“一括返済”となります。』とあります。
なお、一括返済の方法としては任意売却と競売がありますが、代位弁済会社は任意売却すること望んでいます。
『一括返済の方法は担保物件となっている土地・建物を“任意”で“売却”していただき、その売却代金でご返済いただくことになります。』
『競売になりますと任意売却に比べて低価格で落札されるケースがほとんどです。したがって債務額が多く残ってしまいます。また、申請をしてから落札されるまで半年・1年程度時間がかかることもあります。』と説明してありますからね。
債権者側から救済のチャンスが・・・代位弁済催告と任意売却意思の確認通知書
住宅ローン問題解決の最終手段は、競売しかありません。
しかし競売という解決策は、債務者だけでなく 債権者側も避けたい選択肢なのです。
そこで 債権者側は、競売に追い込まないために、何度か救済のチャンスを与えています。
そして それが、代位弁済催告(一括請求)であり、その後の 任意売却意思の確認書類であったりするわけです。
競売になると、将来の展望を全く描けないケースの方が多いです。
債権者側は 少しでも多く債権を回収するために任意売却を求めているわけですが、少しでも明るい将来にするためには 債務者にとっても決して悪い話ではないはずです。
ですから、この通知書を受け取ったら無視せずに、きちんと向き合うようにしてください。
任意売却に関する申出書
任意売却意思の確認に続いてなされるのが、任意売却に同意することを申し出る書類となります。
この段階まで来てしまっては、任意売却か競売以外に選択肢はありません。
もう後がないので自暴自棄になりがちですが、任意売却と競売とでは大きな違いがあるので、冷静に対処するようにしましょう。
ちなみに、少しでも明るい将来にしたいのであれば、任意売却を選ぶべきです。
競売よりも任意売却の方が、高値で売却できるケースが多いからです。
そして、少しでも高く売却し 残債をより多く減らすことができれば、その後のローン支払いが楽になります。
なお 任意売却の際には、残債務の支払い交渉を有利に進めることも可能です。
競売は、法律に従った手続きのため、一切の情実がありませんからね。
債権者側が希望する金額となってしまい、けっこうな金額を払わなければならなくなってしまうのです。
それに対して任意売却では、交渉次第で1万円ぐらいにしてもらうこともできます。
さらに 立退きに関しても、競売だと相手側の言うとおりにしなければなりませんが、任意売却の場合には 引っ越し費用を援助してもらえることさえあります。
主体的に処理することで将来への希望が湧いてくるので、ぜひ任意売却を決断してください。
競売申立予告通知
一括返済の最終通告がなされた後に 何のアクションも起こさないでいると、債権者側が裁判所へ 競売の申し立てを行うことがあります。
この際に送られてくるのが、競売申立の予告通知書です。
この通知書が送られてきたら もはや原状回復は不可能で、任意売却か競売かを選択せざるをえません。
ここまで追い詰められると、何もかも嫌になり 自殺や夜逃げなどを考える人もいるかと思います。
しかし、何もせずに放置し続け ここまで事態をこじれさせてしまったのは、債務者自身です。
ですから、現状から逃げずに しっかりと向き合ってください。
そして、後ろ向きなことを考えるエネルギーと時間があるのなら、明るい将来のために努力してみましょう。
訴訟手続き移行通知
競売の申し立て予告の通知後にも支払いがない場合、いよいよ債権者は 裁判所へ訴訟を起こすことになります。
この時に送られてくるのが、訴訟手続きへの移行通知書です。
この通知書が届いたら、不動産である家や 動産である給与や預金の差し押さえがなされてしまうことを意味しています。
そのため、「債権者は敵だ」と感じる人もいると思われます。しかし、敵対したところで 何も得することはないので、冷静に今後の将来について考えた方がいいでしょう。
そもそも契約に違反して支払いを滞らせ この状態まで放置し続けたのは、債務者自身です。
そして 債権者は、少しでも多く債権を回収しようとして 差し押さえという手段を執るのです。
ですから どんな事情があるにせよ、免れません。
担保不動産開始決定通知
訴訟手続き移行通知書の次は、担保不動産開始決定通知書が送られてきます。
これは、競売が開始されるという通知で、進退きわまる状態です。
そのため、この段階で多くの方が、死を考えるようです。
先が全く見えず どうなるか分からない不安の中で、後ろ向きなことしか考えられないのでしょう。
ただ この段階においても、任意売却することで立ち直る手段は ごくわずかですが残っています。
時間的に非常に厳しいものがありますが、今すぐに前向きな行動を起こされてみてはいかがですか?
なお、任意売却ができずに競売されてしまう結果となった場合でも、家がなくなるだけです。
家族や命といった 最も大切なモノが失われるわけではありません。
ですから、明るい希望を持って歩んでいきましょう。