利用価値の高い制度
個人の債務整理を民事再生法で行う個人再生は、当初ここまで実効性のある制度になるとは思われていませんでした。
自己破産では債務が全て免除されるのに、わざわざ債務の一部を返済しなければいけない個人再生を選ぶ人は、あまりないのではと考えられたからです。
個人再生を利用する人は、強いてあげるならマイホームを持っている人になりますが、住宅ローンの返済が残っている場合には、住宅ローンの減免がないというので、あまり有効ではないと思われたのです。
しかし、いざ蓋を開けてみると、個人再生の利用者は大変多く、しかも、多くの利用者がマイホームを守るために、自己破産ではなく個人再生を選択したことがわかったのです。
個人再生を利用する人の大半はマイホームを守ることを目的に利用する人で、マイホームがある多重債務者にとっては、個人再生は大変ありがたい制度になったのです。
個人再生をしても、住宅ローンは減免されませんので、これまでと同じように返済していかなくてはいけません。
債務の一部返済も個人再生を行ってから3年から5年続きます。生活は相当切り詰めなければいけないと思いますが、それでもマイホームを手放したくないという人が多いということです。
また、住宅金融公庫が個人再生という制度に理解を示し、返済期間を15年延長するなど、柔軟に対応したことも個人再生が受け入れられた理由だと思います。
現在では、個人再生を利用できる人の中でマイホームがある人は、自己破産ではなく、ほぼ個人再生を利用しています。