住宅資金貸付債権に関する特則
個人再生を利用する人のほとんどは、この住宅資金貸付債権に関する特則を利用することが目的となっています。
住宅ローンがある人が自己破産をすると、通常住んでいる家は手放さなくてはいけません。それを回避するために、個人再生があると言っても過言ではないでしょう。
民事再生法で定める住宅資金貸付債権に関する特則とは、個人再生を利用する人が住宅を手放すのを防ぐため、住宅ローンの返済を続けることができるような、新たな返済計画を立てられるようにする制度になります。
個人再生を利用しようとする人は、多額の借金を抱えてすでに破綻している人、もしくは破綻寸前の人だと思います。
そういった人の中で住宅ローンの返済がある人は、当然住宅ローンの返済も苦しく、すでに住宅ローンの返済が滞っている場合も多々あります。
個人再生を利用すると、自己破産とは違ってその後3年から5年は収入の中から返済を続けなくてはいけません。
ここで住宅ローンのことを考慮に入れなければ、いくら個人再生で住宅を守ったとしても、その後の住宅ローンの返済が滞ってしまうようでは、全く意味をなしません。
そこで、個人再生では住宅ローンの返済を考慮に入れて、再生計画を立てる必要がありますが、住宅ローンの返済が全く融通が利かないようだと、その再生計画が上手く立てられない可能性が出てきてしまいます。
そうした不具合をなくすために、住宅ローンの返済をある程度調整できるようにしているわけなのです。
また、この住宅資金貸付債権に関する特則は、小規模個人再生と給与所得者等再生の両方で付加して利用することができます。