再生計画案では債権者を平等にする
個人再生を手続きする上で最も重要なのが、再生計画案だと思います。この再生計画案がしっかりと作成できるかどうかで、申立人の今後の生活環境が変わってくると思います。
この再生計画案には、様々な要件を満たす必要があります。その中でも重要な要件が、債権者の平等というものです。
再生計画案では、すべての債権者が平等に扱われることが必要で、ある特定の債権者だけを優遇したり、ある債権者だけが他の債権者よりも不利益を受けたりすることがないようにしなければいけません。
例えば、債権者Aが100万円、債権者Bが50万円、債権者Cが20万円、債権者Dが10万円の債権があったとします。
個人再生では、基本が総債務額の20%を3年の分割で支払えば良いというものです。この場合の総債務額は180万円になり、この20%では36万円になります。
債権者は4社ありますので、1社あたりを平等に9万円弁済するとした場合、これは本当の債権者の平等にはなりません。
この場合、債権者Aは9万円の弁済を受けても91万円が回収不能になりますが、債権者Dの回収不能は1万円しかありません。とても不公平です。
平等に弁済するというのは、各債権者の債権額の20%をそれぞれに弁済するというもので、債権者Aには20万円、債権者Bには10万円、債権者Cには4万円、債権者Dには2万円となります。
また、再生計画案では支払う割合を同じにする以外にも、支払う時期も同じにしなければいけません。債権者Aには来月から支払い、債権者Bには半年後から支払うということはしてはいけないということです。
債権者に親戚や知人がいる場合に優遇したり、うらみを持っている債権者には返済額を少なくしたりすることは許されませんので、気をつけましょう。
ただ、これは原則であって、何らかの理由があり、不利益を受ける債権者の同意がある場合などでは、例外もあることはあります。