ハードシップ免責
再生計画の認可決定後、再生債権者への弁済が始まりますが、その弁済を途中でできなくなった場合には、ハードシップ免責という救済制度が用意されています。
ハードシップ免責は正式名称ではなく通称になりますが、個人再生手続における免責制度としてその名を広く知られているものです。
ハードシップ免責とは、以下の4つの条件をすべて満たしたときに適用される免責制度になります。
1つ目は、債務者の責めに帰すことのできない事由により、再生計画の履行が困難になったときです。
勤務先の倒産やリストラ、不慮の事故による収入減などが、債務者の責めに帰すことのできない理由と言えでしょう。
2つ目は、再生計画の変更によっても、再生計画を履行することが極めて困難となったときです。
再生計画の変更で済むのなら、ハードシップ免責を適用させる必要はありませんよね。
3つ目は、再生計画に基づく弁済予定額の4分の3以上の弁済を終えているときです。
この条件が1番難しいかもしれません。でも、こうした条件をつけておかないと、個人再生の制度自体が欠陥品になってしまいますよね。
4つ目は、免責の決定をすることが、再生債権者の一般の利益に反するものではないときです。
これはどうとでも解釈できるものですが、再生債務者が努力すれば弁済できるのに、それをしないで免責を受けようとしているときと考えるのが自然だと思います。
ハードシップ免責は、それを狙って利用することができないものだと思います。あくまでも不足の事態が生じたときの保険とも言える制度だと思います。
そのため、ハードシップ免責をあてにするのは、かしこいとは言えません。