債権者からも個人再生を申立てられる?
長期の延滞が続いたときや、今後の返済の目途が全く立たないときには、消費者金融などの督促担当者から、債権者による破産を申立てる、というようなことを言われることがあります。
これは返済努力をしない債務者に対するおどしのようなものですが、実際に債権者側から債務者の破産を裁判所に申立てることも可能なのです。
破産になれば、所有している財産を手放さなくてはならなくなりますし、破産者が就業できない職業というものがあり、もしそうした職業についている場合には、督促としては十分な威力になると思います。
では、個人再生の場合にはどうでしょうか?
実は、通常の民事再生では破産と同様に、債権者が債務者の個人再生を手続きすることができますが、個人再生では債権者による申立てはできません。
民事再生法では、債務者だけでなく、債権者が債務者の再生手続の開始の申立てをすることができると定めているのですが、個人再生では除外されているのです。
ただ、実際には、債権者が債務者の民事再生を申し立てたというのはあまり聞きません。破産の場合には稀にあることですが、民事再生の場合には全くないと言っても良いのではないでしょうか。
これは、破産手続きは裁判所の手続きのみで終了するものですが、民事再生の場合にはその後に弁済をするという行為が残っているからです。
弁済をするのは債務者になりますので、債務者に民事再生で借金の解決を図る意思がなければ、そもそも個人再生が進行することはないですよね。
そのため、個人再生では認めていないのでしょう。
民事再生は債権者からも申立てることができますが、それは形式的なことで、債務者が個人のときには現実的ではないと言うことです。