財産分与と個人再生
旦那さんが多重債務に陥ってしまい、どうしても自宅を手放すのが嫌な場合に、旦那さんに個人再生を申立てさせるというケースがよくあります。
住宅は旦那さん名義が多いので、旦那さんが自己破産してしまえば、奥さんは住んでいる家を失ってしまいます。
それが個人再生なら、住宅ローン以外の債務の2割程度を3年間で弁済すれば、残りの8割を支払う必要はなくなり、住宅ローンも今までと同じように弁済していけば、そのまま住み続けても良いのです。
住む場所を失う自己破産よりは、多少の弁済はしなくてはならなくても、住む場所がそのままの個人再生のほうが、奥さんにとっては良いのは当然ですよね。
それに自宅というのは、名義は旦那さんになっていても、その所有者は奥さんも含めた家族みんなだと思います。それを名義人の勝手な振る舞いで失うというのでは、とても腹が立ちますよね。
そうした状況におかれてしまった奥さんの中には、旦那さんの個人再生の弁済が終了すれば離婚して、財産分与で自宅をもらおうと考える人がいるようです。
しかし、住宅ローンをすべて払い終えるまでは、あくまでも自宅は住宅ローンの金融機関のものです。個人再生が終了しても住宅ローンはその後も払い続けなくてはいけません。
仮に財産分与で自宅を手に入れたとしても、旦那さんが住宅ローンの返済をその後怠るようだと、すぐに競売にかけられてしまい、自宅を手放さなくてはならなくなります。
住宅ローンは旦那さんに押し付けて、自宅はもらおうといのはちょっと虫が良すぎますよね。
個人再生は自宅を手放すことなく、大幅な債務の減額が法的に行えるものですが、住宅ローンが減額されるわけではありませんし、ましてや住宅ローンがゼロになるわけではありませんので、そのことはよく理解してください。