勤務先への訪問
以前までは勤務先への訪問回収が、消費者金融の間では普通に行われていました。
督促をしても良い時間帯は、朝の8時から夜の9時までに限られています。しかし、その時間帯のほとんどは、仕事をしている人なら勤務先にいると思います。
お昼に債務者の自宅に訪問しても、債務者が働いているなら在宅しているはずはないですよね。それなら勤務先に訪問しようと考えるのは、ごく自然なことだと思います。
勤務先への訪問は、自宅への訪問よりもかなりの高い確率で回収できます。勤務先に訪問されると、返済をしないと訪問担当者に帰ってもらえず、最悪仕事に影響を与えてしまいますので、払わずにはいられないのです。
そうしたことを貸金業者でもわかっていますので、電話督促で返済をしようとしない債務者に対して、勤務先への訪問を匂わすことで返済を促すという行為が頻繁に行われていました。
しかし、消費者金融業界への批判がマスコミの間で高まるにつれて、勤務先への訪問が禁止になっていきます。
今では、完全に勤務先への訪問が禁止され、勤務先への電話督促すら禁止になっています。
債務者としては一安心というところですが、逆に訪問回収ができなくなったということで、消費者金融業者の中には給与の差押を積極的に行使するようになったところもあるようです。
給与の差押を受けると、勤務先の経理の人には当然その事実は知られてしまい、下手をすると社内では知らない人はいないということにもなりかねません。
勤務先への訪問が禁止になったからといって安心せず、その分社会的なリスクが高くなったというように思ったほうが良いと思います。