業界の縮小が経済に波及する
消費者金融業界が大幅に縮小することは、すでに確定事項とも言われています。
収益となる貸出金利を引き下げられ、顧客数を増やそうにも総量規制でブロックされ、さらに今まで儲けた分を過払い金として返さなくてはいけないのですから、それはそうですよね。
ただ、そうした政府の規制主動による消費者金融業界の縮小は、業界内だけでなく、日本経済全体に波及する可能性があると思います。
消費者金融から貸し出されたお金は、一般消費者によって消費されると思います。お金を借りてそのお金を金庫にしまっておくという人はいないですよね。
消費者金融業界から飛び出したお金は一般消費者に渡り、それが別の業界で消費され、消費された業界で働く人の手に渡り、また別の業界で消費されるということを繰返していると思います。
こうしたお金のサイクルができあがっていて、消費者金融業界から出てくるお金が少なくなれば、それだけ消費が低下して、他の業界の儲けが少なくなるということです。
消費者金融は物を売ったりするわけではなく、お金を貸すという業種なので、これは直に消費に影響してくると思います。
また、消費者金融を利用している人には、生活費をもうこれ以上は削れないという人が多いと思います。そうした人が借金をできなくなると、家賃や税金、健康保険料の未納といった問題もでてくると思います。
それこそ、子供の給食費の未納者が今よりも増えるかもしれませんよね。
様々なことに影響しそうな消費者金融業界の縮小ですが、これだけ市場が大きくなったのがそもそも異常であって、もとの健全な経済の循環に戻るということも言えるかもしれません。
消費者金融業界の問題は、業界内だけでなく、いろいろなところに波及してくるということを理解しておきましょう。