時効を狙う
貸金業者からの借金の時効が５年になりますので、利用者が５年間返済をしなければ借金がなくなります。それはありがたいと、５年間返済をしないで逃げ回るという人は、現実にはいないと思います。
少し考えれば、強盗をするよりも貸金業者からお金を借りるほうがはるかに簡単でリスクがありませんし、さらに複数の貸金業者から借りるだけ借りて返済を一切せずに５年が過ぎれば、それは自分のものになります。
泥棒をする人がこのことを聞いたらビックリするかもしれませんが、これは本当の話です。以前なら、貸金業者は厳しい取立行為に奔走して、時効にならないように何とか債権の回収をしていました。
それが、今では取り立てに関する規制が強化され、債務者が払えませんと言えばそれ以上は何も言えなくなっているのです。
貸金業者としても、回収に力をいれられないために、貸付審査を厳しくするか、逆に貸付審査を緩くしてできるだけ多くの人にお金を貸すかに重点を置いています。
昔は、借金をして時効を狙うことは非現実的でしたが、今はそうでもないかもしれませんね。
ただ、日本人は真面目というか、借りたものは返さなければいけないという考えが普通になっていますので、そうした時効狙いで借金をしようとする人はほとんどいません。
しかし、返さない人に貸すほうが悪いという風潮になるようだと、貸金業界も危ないかもしれません。
世間は貸金業者の過剰貸付をしきりに悪だと訴えていますが、そうした批判は貸すほうが悪いという論理に行くつく危険がありますので、できれば止したほうが良いと思います。
