時効債権には多額の遅延損害金がつく
貸金業者からお金を借りて、その借金が時効になるには、最後の返済から少なくても5年間は経過する必要があります。
ここで知っておいてほしいのは、そうした長期放置された借金には、莫大な遅延損害金がつくことが多いということです。
例えば、複数の貸金業者から借入があり、借金元本の総額が200万円あったとします。年率18%の金利で借りていたとしても、遅延損害金利率は年率26.28%が一般的です。
200万円に対する年率26.28%での遅延損害金は、1年で52万5千6百円になります。多重債務者にとっては借金が200万円何ていうのは少ないほうですが、それでも1年で50万円以上の遅延損害金が発生するのです。
これが時効を迎える5年になると、遅延損害金は262万8千円になります。借金の元本総額よりも遅延損害金のほうが大きくなります。
結局、5年放置した結果、返済しなくてはいけない金額は、その時点で462万8千円です。借金が200万円だったのですから、これはとんでもない金額ですよね。
貸金業者は違法金利で営業しているから、そこまではならないと思う人もいるかもしれませんが、遅延損害金利率が年率26.28%というのは法律で認められている遅延損害金利率になります。
債務者は時効の援用をしない限り、貸金業者からの請求を受けても文句を言えません。
そうした債権に対しては、貸金業者は債務の一部でも入金があれば、高額な遅延損害金をカットするという甘い話を持ちかけてきます。
しかし、ここで少しでも返済してしまうと、もう時効を主張することはできなくなります。
貸金業者の言う内容で和解するのも良いですが、時効で返済義務がなくなっているのかもしれないということを、疑うことも必要だと思います。