口約束での金銭の貸し借りは有効か
貸金業者からお金を借りるときには、必ず契約書に署名捺印すると思います。契約社会の中では、家を購入するのも賃貸住宅に入居するのも、すべて契約書を交わすのが普通です。
そのため、契約書を交わさなければ、その契約は成立しないと思っている人が多くいます。しかし、それは間違いで、民法では契約書を義務付けているわけではなく、口約束で交わされた契約についても有効としています。
振込みローンをしている貸金業者では、融資の申込を受けて審査をし、そして即日振込みで融資するという形になると思います。
この場合、契約書は貸金業者から当日発送され、後日それに署名捺印して返送するのが普通です。お金を受け取るよりも契約書のほうが後になるということです。
ここで、お金を受け取るだけ受け取り、契約書を返送しなかった場合にはどうなるでしょうか。
このケースは実際にもあるのですが、契約書がなくてもその契約が無効になることはありません。
仮に相手が契約は結んでいない、お金をもらっただけだと裁判で言ったとしても、貸金業者がお金を無償で渡すことは常識では考えられませんので、そんなことは認められません。
契約書を交わさなかったから契約内容を守らなくても良いというのは間違いなので、気をつけてください。
また、知人との間でお金の貸し借りがあった場合、それが口約束によるものだったとしても、その契約は成立します。
ただ、相手が嘘をついてそういった契約はなかったと主張した場合には、裁判で争うことになります。契約書がない場合には、それ以外の方法で契約のあったことを証明しなくてはいけません。
証人がいれば証言してもらえますが、それもできなければ、正直厳しいと思います。立証責任は原告側にあることを覚えておきましょう。