二重譲渡に注意する
債権譲渡で注意しなければいけないことが1つあります。それは、二重譲渡の可能性です。
本来ならあってはならないことなのですが、二重譲渡や三重譲渡、多重譲渡というのが現実に起こっていますので、注意しなければいけません。
債権譲渡が行われると、通常は元の債権者から債権譲渡通知が送られてきます。そこには、どこどこに債権譲渡したから、今後はそちらに支払いをしてくださいという内容が書かれています。
二重譲渡とは、この債権譲渡通知が2通届くことを指し、債権の譲渡先が2つあることを言います。
これは、元の債権者が複数の人や会社に債権譲渡することで起こることで、間単に言ってしまえば詐欺行為です。
債権というのは実体が見え難いものになりますので、債権を複数に譲渡してもすぐには譲渡先が気づくことができないことが、二重譲渡が起こる理由だと思います。
もし、債権譲渡通知が複数きた場合には、確定日付のある債権譲渡通知を信用しましょう。さらに、両方に確定日付がある場合には、先に届いた債権譲渡通知のほうに支払いをしましょう。
また、債権譲渡通知が届いたのが同時だったり、どちらが先に届いたか判断できないようなときには、債権の譲渡先を確定することができませんので、法務局で供託という手続きをすることになります。
いずれにしても、債権譲渡通知が複数届いた場合には、すべての譲渡先に支払いをするということはしないでください。それをしてしまうと、大損することになるかもしれません。