名義を貸したときの返済義務は?
クレジットカードの名義貸しの場合には、その名義人が支払いをしなくてはいけません。消費者金融業者から名義貸しで借り入れたときにも、基本的には同じだと思います。
ただ、消費者金融業者に勤務している頃には、名義貸しということを理由に、返済を拒否されるケースが何回かありました。
督促の電話に対して、そうした人はこう言うのです。
「入金になってないですか? 実は名義を貸してるだけで、実際に借りて返済しているのは違う人なんです。その人の名前と連絡先を教えるので、そっちに連絡してください」
消費者金融業者でも、クレジットカード会社と同じように名義貸しを禁止しています。それにもかかわらず、自分は関係ないと言ってくるのです。
そして、聞いた名前と生年月日、連絡先で個人信用情報機関に照会すると、長期延滞や自己破産などの事故情報がずらりと並んでいるか、借入件数15件というような、超多重債務者かのどちらかになります。
ここで、借入の名義人に対して、名義貸しだろうが返済義務のあることを告げても、大方拒否されてしまいます。
消費者金融業者の痛いところは、返済するかどうかはその利用者の意思任せだということです。返済する気のない人を返済させることはできないのです。
そのため、だいたいのケースでは、名義を借りた人に連絡して、直接回収をはかることになります。
また、名義貸しを理由に一括返済を求めることができますが、一括で返済させてしまうと、もう利息が取れなくなりますので、それは最終手段となります。
それから、裁判になった場合には、名義人を訴えることになります。そこで名義人が実際の利用者は違うということを主張しても、名義を貸すことを承知している場合には、返済義務が生じることになります。