整理屋との和解
貸金業者と整理屋というのは、憎みあう敵同士というわけではありません。整理屋の標的は依頼者である多重債務者であり、貸金業者を騙してお金を奪おうというのではありません。
整理屋はいかに依頼者である多重債務者からたくさんのお金を奪うかに重点を置いていて、その過程で接触する貸金業者とは、できるだけスムーズに事が運ぶように努力します。
貸金業者を敵に回しても、整理屋には良いことがありませんよね。
貸金業者としては、相手が本物の弁護士でも整理屋でも、要は債権をより多く回収したいだけです。相手が本物の弁護士だろうと、整理屋だろうとあまり気にしません。
整理屋は、貸金業者とあまり事を起こしたくはないというのが本音ですので、貸金業者に多少有利な条件でも、和解に応じるようにしているのが一般的です。
本物の弁護士は、依頼者のためと言うよりは、自分のプライドのために和解交渉を頑張るケースが多くなります。
和解にはだいたいの相場がありますが、その相場よりも良い条件で和解できれば、自分のステータスになると考える弁護士が多いのす。
これが整理屋になると、和解の条件が自分たちの利益に直接影響してきます。良い条件で和解できればそれだけ実入りが多くなり、悪い条件で和解すればそれだけ実入りが減ってしまいます。
でも、和解交渉を難航にするよりも、ある程度のところで和解したほうが、数をさばけるというものです。数をさばけばそれだけ実入りが多くなりますので、整理屋としてはそちらを選択することが多いのです。
また、貸金業者も相手が整理屋だと、強気の姿勢で和解交渉にのぞむことが多くなります。それも、貸金業者に有利な条件で和解する要因になっていると思います。