今後、訪問回収はなくなる?
消費者金融業者で働いているとき、連絡がとれずに返済が滞っている利用者の自宅へ、調査のために訪問することがありました。
訪問回収という言葉で聞かれる回収行為ですが、実際には回収行為というよりも調査のためというのがほとんどです。
利用者は返済できるお金があれば入金してきているはずですし、たとえ自宅で利用者本人に会えたとしても、むこうが返済を拒めばそれでおしまいです。
お金があれば払っているというのが、ほとんどの利用者の言い分で、自宅に訪問したからといっても払うお金がないと追い返されるのが関の山でした。
もちろん、中にはせっかく来てもらったのだからと、千円だけを入金してくれる利用者もいましたが、無理して入金してもらっても、破綻への道を急ぐだけです。
しかも、訪問するということは、連絡がつかなかった利用者になりますので、信用はまったくできません。平気で嘘を並べる人達でもありますので、こちらとしても安易に信用するわけにはいきません。
結局のところ、債権を回収できるかどうかは、本人に返済する意思があるのかないのかという問題になりますので、訪問回収というのは言葉だけで、調査しに行くといったほうが正確なのです。
申告された住所に、今も本人が居住しているかどうかの確認が第一の使命になり、そこで本人が引っ越しているとわかれば、無駄に請求書を送らなくても良くなり、無駄な手間も経費も省くことができるというものです。
今はどの貸金業者も経費を削減していっていますので、そのうち訪問という行為もなくなるのではないでしょうか。
ちなみに、訪問に行っても、ほとんどが行方不明状態で調査終了となります。
ただ、もっと早い段階で訪問すればそれなりの成果はあがるでしょうが、それこそ経費の無駄で、電話や請求書で連絡がつくのなら、訪問回収は貸金業者にとってマイナスでしかないのです。