利息制限法違反は悪質業者？

利息制限法違反は悪質業者？

利息制限法の上限金利を超えた金利で貸付している貸金業者は、悪質業者でしょうか？

クレサレ系の弁護士はテレビに出演して、法定利率である利息制限法に違反している貸金業者は、違法金利で営業しているから、違法業者であると大きな声で言っています。

過払い金返還請求の解説本なんかでも、違法な金利で営業する違法業者という記載が目立ちます。

でも、利息制限法に違反している貸金業者は、必ずしも違法業者とは言えないと思います。これには、貸出金利の上限を規制する法律に、利息制限法と出資法があることが関係してきます。

出資法では、ある条件下においては利息制限法を超えた金利も認めています。貸金業者は、当然自分たちがその条件をクリアしていると考えて営業していたわけです。

ところが、いざ裁判になると、利息制限法を超えた金利はすべて違法となってしまったのです。貸金業者からすれば、えっという感じだったと思います。

金融庁も裁判所に出資法を覆されて、大慌てで改正を急いだというわけなのです。そして、今後は利息制限法と出資法という２重構造がなくなり、しっかりと上限金利が決められるのです。

利息制限法に違反している貸金業者は悪質業者というのは間違いで、出資法に違反している貸金業者が悪質業者であり、ヤミ金融業者と言っても良いと思います。

もちろん、悪質業者というのはたんにヤミ金融業者だけを指す言葉でもありませんので、金利以外の面で悪質な行為を繰返している貸金業者も当然あると思います。