借りた者勝ち
借金にまつわる世界を知れば知るほど、借りた者勝ちだと思えてきますので不思議な話です。
消費者金融業者で勤務した経験をもとにお話させて頂くと、絶対に借りた側が有利だと思います。債権者と債務者の立場は、世間では債権者のほうが強者で、債務者は弱者と思われていますが、私は違うと思います。
借りたものは必ず返さなければいけないという話なら、債権者が強者で債務者が弱者と言っても良いと思います。
でも、世の中借りたもので返せないなら、それは仕方がないから返さなくても良いという制度があります。
それが自己破産であり、個人再生になります。この制度は実に借りる側に有利に作られていますので、この制度を利用されると債権者は泣くしかありません。
もちろん、この制度には安易にお金を貸してしまう債権者を抑制する効果もあるはずなので、これはこれで必要な制度だと思います。
お金を貸すまでは貸す側が強者で借りる側が弱者だと思います。借りる側はお願いしてお金を借りると思いますので立場は弱いですよね。
ただ、お金を貸してしまうと、この立場が逆転すると思います。今度は、貸した側がお願いしてお金を返してもらわなくてはいけないからです。
自己破産や個人再生のおかげで、借りたお金は絶対に返さなくてはいけないということにはなっていません。返すかどうかは借りた側の気持ち次第なのです。
しかも、債務者は法律で非常に守られていますので、督促されても返済できないとだけ言えば、厳しく追求されないのです。別に自己破産しなくても、借金を抱えたままでも十分楽しく生きていけるのです。
貸金業者が1番恐れているのは、債務者が開き直ることなのです。