昔は直接和解は厳しかった
貸金業というのは急激に成長を遂げ、そのあり方も時代とともにどんどん変わり続けている業界です。ついこの間までは常識だったことが、非常識になってしまうことも多々ある業界なのです。
しかし、貸金業者を利用している人は、そうした貸金業の流れを上手く察知できないでいることが多いようです。
過払い金の返還が最高裁判所で認められ、金融庁も法律改正をしたにもかかわらず、そんなこととは無縁に過ごしている債務者はとても多くいます。
貸金業界で何かが変わったとしても、利用している人にはどこからか詳しい説明があるわけではありませんので、多くの利用者が昔のままの感覚で利用し続けることになるのだと思います。
任意整理について言えば、昔と今とでは貸金業者の考え方は随分違ったものになっています。10年も前なら、貸金業者から返済に困っている利用者に和解を勧めることはあまりなかったと思います。
それが今では、利用者に少しでも破綻の気配があれば、速攻で和解を持ちかけて利用者の破綻を回避するようになってきました。
まあ、貸金業者にはいろいろなところがありますので、全部が全部というわけではありませんが、全体で考えればかなり直接和解に前向きになってきていると思います。
ただ、まだまだ利用者の無知につけこんで不当な和解を結ぶことが多く、しっかりと対等で法律に則った直接和解ができるようになるには、まだ時間がかかりそうです。
仮に、そうなった場合には、利用者も弁護士や司法書士に何十万円というお金を払う必要がなくなり、その分を返済に充てられるので、お互いの状況は随分良くなると思います。