任意整理から個人再生へのケース
任意整理から個人再生へ移行したケースを、ここで紹介したいと思います。
Aさんという債務者がいました。消費者金融業者から多額の借入をして、とうとう返済に困ってしまいます。
しかし、Aさんは借金を踏み倒すようなことは嫌いで、何とか少しずつでも支払って行きたいと思い、弁護士を訪ねて相談しました。
Aさんはサラリーマンで毎月の安定した収入があり、任意整理ができそうだと弁護士に言われ、正式に弁護士に任意整理をお願いすることになります。
Aさんの借入件数は10件です。10件とも高利の消費者金融業者なので、利息制限法に引き直すことで借金をかなり減額することができました。
債権者と順調に和解をしていきましたが、最近借りたばかりの2社から一括返済しか認めないとの回答を受けます。
すでに残りの8社とは和解が合意しており、来月から返済が始まります。とても2社に対して一括返済などできない状況です。
さらに、分割返済を拒否する2社のうちの1社が、訴訟を提起すると言ってきました。訴訟をされると強制執行される可能性もあり、他の債権者に多大なる迷惑をかけることになってしまいます。
そこで、Aさんは弁護士と相談して個人再生に移行することに決めます。個人再生では全債権者平等に分割返済をすることになり、もともと和解に応じてくれた債権者にも迷惑をかけることなく返済することができたのです。
個人再生では債務総額の5分の1以上の支払いをすることになっていますが、Aさんは債務総額も少なかったので全額を支払うことができました。
こうしたAさんのようなケースはたくさんあります。ポイントはどうしても和解に応じない債権者がいるところです。本人の意思に反して、止む得ず個人再生に移行するケースですね。