帳簿は正確なものを提出する
事業者の自己破産は、いろいろな意味で個人の自己破産とは違うと思います。
個人が消費者金融業者などから借入れられる金額は、多くても1000万円までだと思います。
それ以上になれば、それだけの収入がなければいけませんが、それだけの収入がある人は消費者金融業者からお金を借りる必要はありませんよね。
ところが、事業者になると、その借入れ金額はとても高額になります。貸す側も貸したお金で利益を上げることを期待して貸しますので、個人に貸すときとは桁が1つ違う金額を貸します。
そのため、事業者の債務総額は何千万円、何億円、何十億円という単位になりますので、自己破産で被る債権者の被害がとても大きくなってしまいます。
個人が自己破産をするよりも、事業者の自己破産には厳しい目を向ける必要があるということです。
事業者が自己破産する場合には、その前に商業帳簿が正確に記載されているかを確認したほうが良いと思います。
自己破産で免責を受けるときに、提出した商業帳簿に不正があったり、商業帳簿自体がなかったりすると、免責不許可事由に該当して借金の返済が免除されなくなるかもしれません。
小規模な会社を営んでいる事業者の中には、商業帳簿をつけていない人がいますが、そうした人は自己破産をしても借金がなくならないということです。
普段から正確に帳簿をつけるようにしたいところですね。