今後は残高なしの人が主流になる
過払い金の返還請求をした人の請求時点での状態を、日本貸金業協会が先日調査しました。
それによると、債務の支払いが滞っている延滞中の人が45%、取引中で支払いも正常の人が33%、そしてすでに約定で完済して借金残高がない人が22%となっています。
過払い金の返還請求をする人の約半数が、支払いが滞っている人ということです。つまり、借金の返済ができず、債務整理をする中で過払い金を発見し、それを請求して他の債務の返済に充てるということです。
実際に、私が消費者金融業者に勤めていたときも、このケースが1番多かったと思います。
次の支払いが正常な人についても、基本的には債務整理をして過払い金を発見するという、延滞中の人と同じパターンになると思います。
返済ができなくなる前に債務整理をする人も多いので当然ですよね。
最後のすでに約定で完済している人からの過払い金の返還請求は、全体の2割強とまだそれほど多くはないように思えますが、実はこれから1番増えるだろうと言われているのが、このケースなのです。
潜在的な人口で言えば、すでに約定で完済している人が断トツで多くなります。利息制限法の上限金利を超えた金利でお金を借りて約定で完済すれば、100%過払い金が発生するからです。
これまではほとんどの消費者金融業者が利息制限法の上限金利を超えた金利で営業してきましたので、消費者金融を利用してすでに完済したという人なら、ほぼ確実に過払い金の返還請求ができることになります。
今後は、すでに約定で完済して残高がないという人からの過払い金返還請求が、確実に増えることになると言われています。