借主と貸主の関係
金銭の貸借契約においては、一般的に貸主が圧倒的に優位な立場になるとされています。
特に、消費者金融のように緊急性を要する資金需要を相手に営業している貸主の場合には、それが顕著になると思います。
どうしても今日中にお金が必要だ、お金が用意できなければ大きな被害を受けることになるなど、借主の資金需要がひっ迫している場合、借主は貸主に多少の不当性があったとしても、それを受け入れてしまいます。
これは、ヤミ金融のことを考えればわかりやすいと思います。ヤミ金融の金利が年率3000%とわかっていても、返済が遅れると厳しい取立てが待っているとわかっていても、お金を借りる人は絶えませんよね。
このように、借主と貸主の間では、契約の際にこのような優位性が生じることになります。
また、借主は資金状態が悪化すればするほど高金利の貸主からしかお金を借りることができず、資金状態がどんどん悪化していくことになります。
ただ、もうどこからもお金を借りることができない状態になると、今度は借主が有利な立場になります。
借主は今までのように他でお金を借りて返済に回すことができなくなりますので、返済の目途が立ちません。
返済の目途が立たなければ、困るのは貸主です。そのため、破綻寸前まで行けばその優位性は逆転することになります。
しかし、借主には返済できない負い目がありますので、圧倒的に優位になることはないのが普通です。