奥さんが突然訴訟
私が消費者金融で経験した中で、もっとも納得ができなかったのが、「奥さんが突然訴訟」事件です。
これは、私が勤務していた支店ではありませんので、直接この事件に接したわけではありませんが、とても納得できるようなものではありません。
ある支店の督促担当者と延滞者との間で、督促担当者が指定された時刻にその延滞者宅にお金を取りに行くという約束がされます。
その延滞者は忙しいようで自分で入金することができないとのことでした。自分はその時間に家にはいないが、お金を妻に渡しておくから受け取ってくれということです。
約束通り、指定した時刻に督促担当者は延滞者宅に行きました。延滞者に言われたように、奥さんからお金を受け取ろうとしたのですが、奥さんが突然拒否したそうです。
延滞者本人との間ですでに話がついていることであり、しかも、かなり長期延滞していたので、督促担当者も簡単には引き下がらなかったそうです。しかし、奥さんが頑なに支払いを拒否するため、諦めて帰ったそうです。
その数カ月後、奥さんから訴状が届きました。返済義務のない夫の債務について請求を受け、精神的苦痛を味わったとの内容で慰謝料50万円です。
債務者本人に連絡したところ、奥さんの頭がおかしいと言って、わざわざ来店して謝りにきました。
奥さん側の弁護士にこちらの弁護士が事情を話しても、奥さんが相当怒っているから無理だとのことです。裁判になり、50万円を支払ったそうです。
その後、支払いは本人の意思であっても本人以外からは受け取らないと、会社で決まりました。そのため、家族のために毎月来店で返済していた人からの入金をすべて拒否することになり、かなりの不評を買いました。