同じ住所なのに別人?
長期延滞者でまったく連絡がつかない債務者の場合、消費者金融では訪問回収を実施することがあります。私も訪問回収を何度も経験しています。
私が訪問回収をしたときに1番驚いたケースが、目当ての債務者の住所に別人が住んでいたことです。
訪問回収をするときには、必ずその人の住民票で確認してから行きます。住民票の情報が必ずしも正しいということはありませんが、貸付をするにも訴訟をするにも、すべて住民票に沿って行われます。
目当ての債務者の住所に到着した私は、玄関のベルを鳴らします。中から若い男性が出てきます。目当ての債務者は中年男性なので、本人ではありません。
私は本人を呼び出したのですが、その若い男性はそんな名前の男性は知らない、ここは自分の家で一人暮らしと言うのです。狐につままれた気分でした。
どうすることもできませんのでいったん事務所に戻り、その後いろいろ調べると、何と他の債務者の住所も私が訪問回収に行った住所になっているのです。しかも、全部で4件も出てきました。
同じ住所地でも二世帯住宅などいろいろなケースがありますので、同じ住所地で住民票を登録することはできるようなのです。
結局、この4件はすべて返済が滞り、住所不明で回収不能となってしまいました。役所のチェックは甘いので、住民票は簡単に悪用できます。その被害にあっているのが消費者金融だとは誰も知りませんよね。