弁護士の力関係が影響
ここでお話しする話は、あまり大きな声で言えるものではありません。債務者がまったく知ることができない、弁護士の裏話と言っても良いと思います。
ある程度の規模の貸金業者には、顧問弁護士がいると思います。企業が様々な問題を想定して顧問弁護士を雇うのは当然ですが、貸金業は特に顧問弁護士を必要とする業界だと思います。
過払い金の返還請求や利用者、利用者の家族からの損害賠償請求、貸金請求訴訟など、他の業種よりも顧問弁護士の役回りは多いはずです。
私が勤務していた消費者金融業者にも、顧問弁護士は当然いました。
ここで裏事情なのですが、弁護士というのはみんな横一線ではなく、序列があるということです。
同じ地域の弁護士会に所属していれば顔見知りということも多いですし、お世話になった目上の弁護士や借りがある弁護士がいても不思議ではないですよね。
さらに、顧問弁護士がどこかの大きな弁護士事務所に所属していた場合では、その序列が大いに関与してきます。
これは実際にあった話ですが、私が勤務していた消費者金業者の顧問弁護士が所属している弁護士事務所の他の弁護士が、うちの顧客である債務者の依頼を受けてしまったときです。
このときには、相手の弁護士が顧問弁護士と、どちらが序列が上かですべてが処理されてしまうのです。
相手の弁護士のほうが序列が上なら、相手の言うままの条件で和解し、逆ならこちらの言うままの条件で和解されるのです。
こういったことが何回かありました。貸金業者と債務者は蚊帳の外といった感じで、両者の気分はあまり良くないと思います。