長期延滞債権はそのうち償却債権になる

元消費者金融マンが語る【借金返済のいろは】TOP > 延滞について > 長期延滞債権はそのうち償却債権になる

長期延滞債権はそのうち償却債権になる

金融機関にとっての債権は、税法上では資産となります。

債権は将来の利息を生むものであり、いずれは元金も返還されるからです。

貸金業者は貸付残高が残っている延滞債権については、その返済が見込まれない場合でも資産の1つとして数えられてしまい、税金を支払わなくてはなりません。

しかし、まったく返済の見込みがなく、利益どころか元本すら返ってこない不良債権については、税金の対象外とすることができます。

貸金業者が返済の見込みのない長期延滞債権について、税金の対象外とした債権のことを償却債権と呼びます

ただ、償却債権になると請求権がなくなるということではありませんので、延滞者は引き続き請求を受けることになりますが、税金のかかる通常債権と比べて極端に督促が少なくなります

償却債権よりも税金のかかる通常債権のほうを優先して回収するのは当然ですよね。

償却債権はもはや債権とは呼べず、償却債権で回収した利益も雑収入となるほどです。

長期延滞を続けると、いずれはこの償却債権になります。償却債権になればぱったりと請求がこなくなる場合が多いので、延滞者としてはラッキーなのかもしれません。

また、貸金業者の償却債権の回収に対する考え方は概ね「拾い物」といった感じで、ゼロだったものがプラスになってラッキーぐらいにしか考えません。

通常債権では回収しなければマイナスとなりますが、償却債権の場合にはすでにマイナス清算後ということで、目くじら立てて回収という感じではないはずです。

 

 

関連記事

  1. 消費者金融の利用者の5人に1人が延滞
  2. 借り換えは延滞する前にする
  3. 返済金の猶予措置
  4. リストラでピンチのときの延滞回避法
  5. 社員が延滞したと請求されたら
  6. 生活保護の受給は延滞の理由にはならない
  7. 延滞を理由に違法な担保を渡さない
  8. 白紙委任状と印鑑証明書の要求には応じない
  9. 悪質な取立の損害賠償が認められる例
  10. 返済計画を立てなければ延滞する