第2次急成長期
貸金業規制法の導入や、改正出資法による上限金利の引き下げ、大蔵省銀行局長による業界への融資抑制などで、成長路線からの撤退を余儀なくされた消費者金融業界は、そのまま業界の縮小に向かったわけではありません。
何より、消費者金融を利用したいという人が多く、どれだけ国が規制しようと、消費者のニーズに支えられた業界が消えることはありません。1980年代半ばごろから、消費者金融業界は再び活気を取り戻していきます。
大蔵省銀行局長の通達が撤回されたこと、大手業者の株式への上場、自動契約機の導入、派手な公告、イメージアップのテレビCMなど、資金環境の改善と企業努力によって、消費者金融業界は第2次成長期へと突入します。
もともと、消費者金融への潜在的なニーズはとても大きいので、消費者金融側の体制が整えさえすれば、後は放っておいても市場の拡大が進みます。
短期的に資金を借りたいという人は本当に多く、この頃の消費者金融業者は各社どんどん貸付残高を伸ばしていくのです。
消費者金融が貸せば貸しただけ利益が出るというのは当たり前の話ですが、その裏側では破綻する人もいて、利用者が破綻すればその分は利益から差し引きされます。
ここで、破綻する人を減らして、マイナス部分を少なくするという努力をしていれば、その後に批判されることはなかったと思います。
消費者金融がこのときにとった方法は、破綻する人が増えるなら、その分多くの人に貸付しようというものだったのです。
つまり、過剰貸付に走ってしまったわけなのです。消費者金融業界の第2次急成長期において、市場は大幅な拡大を見せましたが、その分多くの多重債務者を生むことになったのです。