批判に反論してこなかった業界
現在は過払い金の返還について、その前は多重債務者問題、その前は督促方法、さらに阪神大震災後のときには家財道具の差押について、消費者金融業界はマスコミの集中的な批判を浴び続けてきました。
これは、マスコミ側の批判にも問題はあると思いますが、それについて一切反論してこなかった消費者金融業界側にも問題があるのではないでしょうか。
消費者金融業界としては、反論しても無駄だと、批判されることに慣れてしまっているのではないでしょうか。
消費者金融業界ほど、マスコミの批判に対して寛大な対応をしている業界はないと思います。他の業界では、マスコミが一部の業者がしていた不祥事を、業界全体がしているかのように報道すれば、必ず訴訟を起こしています。
特に、消費者金融業界は、ヤミ金融という切っても切り離せないものがくっついています。消費者金融業界とヤミ金融とでは、本来全く別次元のものになるのですが、世間やマスコミでの認識では同じになってしまうのです。
一時期多重債務に苦しむ人がたくさん自殺した時代がありましたが、その原因はヤミ金融の過酷な取立てや、企業のリストラや賃金カットによる生活の基盤を揺るがされたことにあったと思います。
しかし、マスコミの報道では、消費者金融業界の大規模な宣伝で、借りる気のない人までも債務者となり、その結果多重債務者が急増したことと、消費者金融からの厳しい督促が原因だとなってしまうのです。
これについて、消費者金融は全く反論をしていません。それどころか、自分の否を認めるかのように、テレビCMの内容に、借入れを増長するものではないということをつけ加えてたのです。
今度の消費者金融業界への大幅な規制改正にも、もっと積極的に抵抗したほうが良いと思います。規制されるということは、それだけ視点が狭められ、結局は利用者にとっては不利になると思います。