貧困層の受け皿
消費者金融業者は、かつては公務員や大企業の社員のみにお金を貸していました。いわゆる裕福層を主なターゲットとして営業してきた業界です。
その後、消費者金融業界はさらに顧客を広げるために、平均的な収入と生活を送るミドル層に着目し、テレビコマーシャルを駆使してイメージを上げ、ミドル層の囲い込みを始めます。
しかし、バブルが崩壊すると、ミドル層よりも貧困層の需要が増加していったのです。
消費者金融としては、もっと優良な顧客を獲得するために宣伝をしていたのですが、気づいたときには貧困層の利用者が後を絶たなかったのです。
これは、デフレ不況の不安定な雇用環境と格差社会がもたらした、ある意味必然的なことだったのではないでしょうか。
消費者金融業界は不況下で貧困層の受け皿になったのですが、営業方針も変わっていくことになります。
貸す相手が貧困層になると、返済をしない人が多くなります。そうなると、当然取立行為を強化しなければいけませんよね。
さらに貸し倒れ率も高くなりますので、貸し倒れた分を穴埋めするために、より多く貸付して行くことになります。
結局、貧困層が生きるための受け皿になったために、取立が厳しいものに変わり、過剰融資が横行することになってしまったのです。