団体信用生命保険の誤解
マスコミに悪いイメージを持たれている消費者金融業界では、たとえお客様のためをと思って行ったことでも、マスコミから激しく非難されることがよくあります。
その代表的なものが、団体信用生命保険の運用です。この保険制度は、借主が他界した場合に保険会社から受け取る保険金で債権を回収するというもので、大手や準大手の消費者金融業者で広く行われていました。
マスコミはこの保険制度を知って、一斉に消費者金融業界を批判しました。命を担保にしてお金を貸すなんて常識では考えられないと言うのです。
テレビでは、借金で自殺した人の家族を出演させ、連日のように消費者金融を悪の根源だと訴え続けていたのを、覚えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、死ねば借金がゼロになるということは借金が返せないなら死ねということだといったマスコミの論調は、いささか乱暴のように思います。
通常、借主が他界した場合には、その親族に借金が相続されますが、別に相続放棄すれば借金が相続されることはありません。
別に、この保険制度がなくても、借主が他界したときに親族が借金を支払う必要はないのです。つまり、この保険制度が自殺の原因となることはないのです。
また、この保険制度の支払いは消費者金融業者が行なっています。借主側が負担しているわけではありません。特に借主が損をしているということはないのです。
消費者金融業者としては、親族が相続放棄の手続きを忘れることも多々あり、そうした場合には借金を親族に請求しなければならなず、そうした行為でイメージを下げたくないという思惑があったと思います。
よく考えれば、この保険制度が消費者金融業者のためにあるのではなく、借主の親族のためにあることはわかると思います。
この保険制度でかかる費用と、この保険で回収できるお金とでは、明らかに費用のほうが高いです。
消費者金融としては、良かれと思ってやったことが、お金も損をして、さらにイメージを下げる結果になるなどとは、予想できなかったと思います。