
冬の時代
消費者金融業界は、まさに今冬の時代だと思います。その証拠に、消費者金融大手4社の平成20年9月中間連結決算は、非常に悪い数字となっています。
一般企業の売上高に相当する営業収益では、過払い金返還請求の影響が響き、三洋信販を子会社化して営業収益を上乗せしたプロミスを除く3社が減収となっています。
最終利益について言えば、三洋信販絡みで収益を上乗せしたプロミスと、税関連の費用が減少したアコムが増益を確保しましたが、それは形だけのもので、他の2社同様に後退していると言っても良いと思います。
消費者金融大手4社は、今後の最低金利の引き下げに伴って、各社とも審査を厳格化しています。そのため、軒並み貸付金残高が減少しています。
貸付残高が減少すれば、それだけ収益が悪化しますので、今後も一層の収益悪化が予想できます。
さらに、22年度までには改正貸金業法が全面施行され、貸付けの総量規制が始まる予定です。そうなれば、収益悪化は加速することになるでしょう。
生き残りをかけ、どの消費者金融も身売り状態です。大手の消費者金融業者は銀行の傘下に入り、中堅どころはさらにその傘下に入り、資本の増強に必死なのです。
さらに、日本経済の後退で雇用が悪化すれば、既存顧客の貸し倒れが増加し、新規申込件数が減少していくことになります。
消費者金融業界は今は冬の時代ですが、当分はそれが続くと見られています。

