過剰貸付けになるしくみ
消費者金融業界では、今のままでは必ず過剰貸付になるしくみがあります。
初めて消費者金融を利用したいと考えた人は、ほとんどの人が大手の消費者金融に申し込みをすると思います。基本的に、大手でも中小でも金利はそれほど変わりませんし、大手のほうが安心感があるからです。
大手の消費者金融業者は日本全国にたくさんの支店を持っていますので、利用者からすれば逆に中小の消費者金融業者のお店を探すほうが難しいかもしれません。
ヤミ金融など悪質な業者がいることは誰でも知っていますが、どれがその悪質な業者かはわかりません。しかし、テレビCMで見るような大手の消費者金融業者であれば、悪質な業者ではないことがわかります。
こうした理由から、借り入れが5件ぐらいまでは、ほとんどが知名度のある大手の消費者金融業者になります。そして、5件を超えると、今度はもう大手では貸付審査に通ることができなくなるのです。
そのため、6件以降は中小の消費者金融業者になるわけです。つまり、中小の消費者金融業者が融資する相手は、ほとんどがすでに多重債務者だということです。
従業員が50人程度の小規模な消費者金融業者に話を聞くと、融資する相手の借り入れ件数の平均は、9件だそうです。そういった人からしか申し込みがないから、過剰貸付だろうと貸さなければいけないということなのです。
消費者金融業界は、中小の業者が生きていくには、必ず過剰貸付をしなくてはならないという世界なのです。過剰貸付を本気で禁止すれば、中小の業者は全て廃業すると思います。
何と言っても、お客は大から中、中から小の消費者金融に流れていくからです。