貸付は賭けだと言う中小の消費者金融業者
他の業界よりも大手や準大手の企業による寡占化が進んでいる消費者金融業界では、中小の企業は非常に厳しい状況の中で経営を行なっています。
ある中小の消費者金融業者にお話を伺ったところ、貸付は一種の賭けだということを言われていました。
その中小の消費者金融業者では、新規の平均貸付額は10万円から15万円の間だそうです。これは、新規の融資申込者がすでに多重債務者であるために、高額の貸付をすることができないからだそうです。
貸付する前からいつ破綻してもおかしくない状況の人ばかりなので、とても高額の貸付をすることができないと言うのです。
ただ、貸付しなければ経営が成り立ちませんので、とりあえず5万円から10万円を貸付して、様子を見るそうです。
5万円や10万円といった少額なら、仮にすぐにその人が破綻しても、それほど痛くないというのです。貸付は毎回賭けみたいなもので、運よく破綻しなければラッキーという状態なのです。
また、そうした少額の貸付をしていては、得られる利息は少なくなります。そこで、たくさんの人に貸付をするというわけです。
10万円を10人に貸付すれば、100万円を貸付したと同じというのです。しかも、10人に小分けに貸付することで、リスクを分散できるということです。
中小の消費者金融業者は、破綻するかもしれない大勢の多重債務者を相手に商売をしていることになりますが、それでも新規の契約率は大手が40から60%に対して、10から30%と低くなります。
それだけ、破綻間近の多重債務者が多いということです。