お金を貸したくても貸せない
消費者金融業界の今の現状を示すものに、こんな数字があります。
2006年9月の成約率42・1%、2007年3月の成約率33.2%、2007年9月の成約率30.2%、2008年3月の成約率26.8%。
成約率とは、新規申込件数のうち、どのぐらいの割合でお金をかしたかというもので、成約率を見れば、申込者の質や消費者金融業者の審査基準の変化を知ることができると思います。
上記の数字はあくまでも消費者金融全体の一部分の数字になりますが、業界全体の状況を把握するには十分だと思います。
消費者金融業界では、成約率が1年ほどの間に大幅に下落しています。それだけ申込者の経済状況が暗くなっていると言えるかもしれませんが、最大の要因は融資基準を高くしたからでしょう。
1年前ならお金を借りれた人も、今はお金が借りられないという状況なのです。
さらに、新規申込件数自体が減少してきていますし、新規貸付以外の増額貸付の減少も考慮すれば、非常にお金が借りにくくなっていると言えます。
大手消費者金融の幹部が、「改正貸金業法が完全施行されると、さらに成約率は減少するだろう」と嘆くほど、まだまだ序曲であるという見方が大勢です。
消費者金融業者は収益を上げるためにお金を貸したい。そして、消費者は不況で資金が足りずお金を借りたい。でも、法律でそのことを許さないというのが、今の状況であり、今後の状況となっているのです。